Daily K-Scale 0571
よみたいときに よめば よゐ
力と法の国。
先日、バージニア工科大学での銃乱射事件があったばかりのアメリカでのお話です。
イリノイ州シカゴに住むコラムニストのハワード・ルドウィグ氏の息子・ハワード・デービッド・ルドウィグちゃん(通称ババ)は生後10カ月の男児。ババちゃんのおじいちゃんは、将来、銃の手ほどきをしようと考え、初孫へのお祝いに散弾銃を購入したそうです。
そこで、父であるハワード氏は、ババちゃんの銃所持を許可する証明書の発行をイリノイ州警察に申請したそうです。彼は、証明書が入手できるかどうか半信半疑でしたが、なんと州法には年齢制限がなく、5ドル(約600円)の申請料を支払うだけで入手できたそうなのです。許可証には、歯も生えていないババちゃんの写真と約70センチの身長、約9キロの体重が記載されているそうです。
まず、初孫へのプレゼントに散弾銃を選ぶというセンスがよくわかりませんね。殺人の道具を、人生をスタートしたばかりの希望に満ちた子どもに与えなければならないお国柄。それを考えるとなんとも淋しい限りです。銃を介在させなければ人間関係が維持できないのですから、頭からハートツーハートの交流を諦めているとしか考えられないということですものね。
そして、書類だけですべての処理が進んでいくという恐ろしさ。法律がそうなっているから、といって、なぜ10歳の男児に銃保持の許可が下りるのでしょう。法律の不備が一番の問題ですが、その欠陥をフォローするのが現場でしょう。きっとお役所仕事よろしく、立法が悪いだの、司法がドン臭いだの、行政がなっとらんだのの、責任のなすりつけ合いがあるのでしょうね。
なんとも不思議なアメリカです。イギリスのピューリタンたちが新しい「約束の地」を求めてたどり着いた新天地。この人工の国をまとめ上げるには「力」と「掟」しかなかったのでしょう。それが「銃」と「法律」の国をつくり上げた。「暴力」と「裁判」の国をつくったのです。「情」で生きてきた日本人には、なんとも無味乾燥なシステムではないでしょうか。
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